まるごとアドリブ

ジャズの知識ゼロで「アメリカ唯一のジャズ専門音大」に留学したドラマーの奮闘記。

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ビッグバンドビートの楽曲情報をアメリカのDヲタ音大生が解説する~前編~

どうも、『西東京のミッキーマウス』ことマルヒロです。

 

僕がジャズを始めたのも、英語が話せるようになったのも、すべてはディズニーパークとディズニー作品がきっかけです。

 

そんな僕が東京ディズニーシーで一番好きなショーといったら、それはもう『ビッグバンドビート』しかありません。

 

【ミッキー】×【ドラム】×【ジャズ】マルヒロ

 

みたいなもんです(偉い人に怒られそう)。

 

そんな僕がジャズ専門音大の学生として、ビッグバンドビートで使われている楽曲の歴史をひとつずつガチで解説していきます。

この記事さえ読めば、次のディズニーデートでかっこつけられるぜ!

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 ビッグバンドジャズとは?

ロックバンドにもいろいろな形態があるように、ジャズも様々な形態で演奏されます。

中でもビッグバンドは、17人前後の編成で演奏されるジャズのことを言います。

 

このビッグバンドジャズ(スイングジャズともいう)は、大所帯ならではの音の迫力一糸乱れぬ演奏そして華やかなステージ演出が見どころです。

 

ビッグバンド自体の歴史については下の記事も読んでみてください。

オープニング:スイングがなければ意味がない

会場アナウンスが終わり、いよいよショーがスタート!

キレのあるドラムソロから始まるアップテンポなナンバーはその名も!

 

『スイングがなければ意味がない(It Don't Mean A Thing If It Ain't Got That Swing)』

 

こちらの楽曲は、アメリカ史上最高の作曲家として知られるデューク・エリントンが、1931年に作曲したビッグバンドジャズの初期の名曲です。

 

「スイング」とはジャズ特有の飛び跳ねるようなリズム感のこと。

まさにジャズという音楽が持つリズムのすばらしさを歌った曲なのです。

 

2008年にはグラミー殿堂入りもし、さらにはレディー・ガガがレコーディングしたことでも知られています。

 

しかしこの曲はそれよりずっと前から、たくさんの有名ジャズミュージシャンがカバーしてきました。すべてのジャズミュージシャンから愛される、ジャズ界の「国歌」のような楽曲なのです。

 

※原曲は著作権の都合上掲載できないので、皆さん各自でYouTubeで探してみてください

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スタンダード曲コーナー

オープニングのあとは、ショー専属のシンガーたちが今もなお愛されているジャズの名曲を順番に歌っていきます。

夜も昼も(Night and Day)

一曲目は『夜も昼も』

マルヒロも演奏の現場でもしょっちゅう演奏する、超有名なスタンダードナンバーです。耳に残るメロディと、どんなスタイルにもアレンジしやすい構成が人気の理由だと思います。

 

もともとは1932年のミュージカル用に、アメリカ舞台音楽界の巨匠コール・ポーターが作った楽曲で、「どんな時でもあなたのことを考えているわ」というなんともロマンチックな内容です。

 

ちなみにビッグバンドビートバージョンは、エラ・フィッツジェラルドという超有名シンガーのバージョンをかなり忠実に再現しています。

 

【元ネタの音源】

www.youtube.com

A列車で行こう(Take the A Train)

女性シンガーによる素晴らしいパフォーマンスが終わると、男性シンガーが「アップタウン(ニューヨークのちょっとリッチな地区)へ行こう!」と言い出します。

 

彼がニューヨークの説明をしている間に少しずつバンドがテンポアップをし、あの超有名なピアノイントロから『A列車で行こう』がスタートします。

 

この曲は、先ほども登場したデューク・エリントンのグループが1941年に発表したスタンダードナンバーです。

 

実はこの曲は、デュークがかわいがっていた弟子のピアニスト、ビリー・ストレイホーンが作曲したといわれています。

デュークが打ち合わせのために自身の自宅にビリーを招いた際、地下鉄を使った自宅までの経路をビリーに伝えました。するとビリーは、その内容をもとに行きの列車の中でこの曲を作ってしまったのです!

つまりこの曲は、「デューク・エリントンの家までの行き方を歌った曲」なのです。

 

日本でも映画「スウィングガールズ」で使われたことでかなり有名になりました。

 

【原曲】

www.youtube.com

The Lady is a Tramp

A列車で行こうをワンコーラス歌った後すぐに、バンドは男女デュエットの『The Lady is a Tramp』に移行します。

 

ディズニー映画「わんわん物語」の原題の元にもなったこの曲は、1937年のミュージカル「Babes in Arms(青春一座)」のために書き下ろされた楽曲。

作曲したのは、ニューヨークのブロードウェイで活躍していた黄金コンビ、ロジャース&ハートです。

 

歌の内容は、女性がわがままを言って男性を振り回すコメディータッチのものとなっています。"Tramp"とは「(一見素敵そうに見えて)わがままな地雷女という古いスラングです。

わんわん物語のTrampとは大違いですね・・・

ディズニーの仲間たちが登場!ダンスコーナー

「Lady is a Tramp」の演奏が終わると、我々はニューヨークセレブ御用達のとあるジャズクラブに到着します。

ここのクラブバンドの指揮を執るのはみんな大好きグーフィー!

彼が率いるバンドの演奏に合わせて、ディズニーの仲間たちが1920年代から40年代ごろのニューヨークで流行ったダンスナンバーを披露します。

サヴォイでストンプ⇒Jumpin' Jive

一番初めにグーフィーの指揮で始まる楽曲は『Jumpin’ Jive』という曲なのですが、その前にサックスプレーヤーがちょっとだけ演奏している曲についても触れておきます。

 

その楽曲とは『サヴォイでストンプ(Stompin' at the Savoy)』

 

ニューヨークの超有名なサヴォイ・ボール・ルームというダンスホールの名前がついた楽曲で、もともとはこのダンスホールで定期的に演奏していたバンドが、別のバンドと共同で制作したダンス用の曲でした。今ではダンス以外の場面でも演奏されます。

 

そして次に始まる曲が『Jumpin' Jive』

ニューヨークのコットンクラブという有名なクラブで定期的に演奏していた、キャブ・キャロウェイのバンドが発表した楽曲です。

 

タイトルの意味は「飛んで踊って」みたいなところでしょうか。

とにかく好きに踊って楽しもう!というかなりご機嫌な曲です。

 

ビッグバンドビートでは、キャブ・キャロウェイのバンドが映画でこの曲を演奏したときの映像を参考にしています。

 

【元ネタ動画】

www.youtube.com

Diga Diga Doo

デイジーが繰り広げる情熱的なこの楽曲は、1928年のミュージカル「Blackbirds of 1928」のために書き下ろされました。

僕の予想では、ミュージカルのタイトルに"Bird"と入っているからデイジーが歌っているのかと・・・。リニューアル前もデイジーは『Little Jazz Bird』という曲を歌っていましたしね。

 

このミュージカルは、当時のアメリカとしては珍しく、キャストが全員黒人であるにもかかわらず518公演ものロングランを記録しました。

 

ちなみに楽曲冒頭の迫力あるドラムの演奏方法は「ジャングルドラム」などと呼ばれており、映画「ジャングルブック」ではこのジャングルドラムを使用した楽曲がいくつかあります。

頬よせて(Cheek to Cheek)

ダンスコーナー最後はミッキーとミニーのかわいらしいラブラブっぷりを堪能できる『頬よせて』です。このタイトルだから、曲の最後に二人がほっぺを寄せ合う振付があるんですね。

 

この楽曲は、これまたブロードウェイ音楽の巨匠アーヴィング・バーリンによって、1935年公開の「トップ・ハット」というコメディ映画のために書き下ろされたものでした。

 

「まるで天国にいるみたい」

「山登りや釣りもいいけど、あなたと頬を寄せ合って踊っているときの半分くらいしか楽しくない」

「話せなくなるくらい鼓動が激しいんだ」

 

といった、とにかく愛情たっぷりでお洒落なセリフがたくさん登場するのが特徴です。

 

 メロディと歌詞のすばらしさから、1936年のアカデミー歌曲賞にもノミネートされ、最近では2017年公開(日本は2018年)の映画「ボス・ベイビー」でも使われました。

 

【映画主演俳優による原曲の音源】

www.youtube.com

いよいよフィナーレだ!

さあ、今回は長くなってきましたのでここで一区切りとします。

 

このあとすべての出演者が集結してグランドフィナーレへと向かっていきます!

バンド紹介コーナーは構成も面白いですし、なんといってもあのミッキーによるドラムソロが待ち構えています!

 

そんな大迫力のグランドフィナーレで使われている楽曲の紹介は、また次の記事で取り上げます。

 

これで少しはビッグバンドビートが観に行きたくなったんじゃないかな?

 

ではまた次の記事でお会いしましょう!